「クローゼット・スタジオ通信」その7ナレーション収録の現場実録!その3 ~スタジオ収録~
コムワークス「ボイスダイレクトサービス」登録ナレーター・中村ゆきこです。
「ナレーションの宅録」を中心とした、現役ナレーターならではのあれこれ・現場の臨場感あふれる(?)こぼれ話などをお伝えする「クローゼット・スタジオ通信」。
今回もどうぞおつきあい下さい。
ナレーターのお仕事現場赤裸々リポート!
スタジオ収録の必需品「見台(けんだい)」について・続編です。
◎「見台」のメリット、続きます
私にとって、ナレーションスタジオ収録時になくてはならない「秘密兵器」、それが原稿台「見台」です。
一見、チープではありますが、威力は絶大!
前号に引き続き、すばらしさをアツく語ってしまいます。
◎要らない音「ノイズ」に気を遣わなくて良くなる!
3・ページ替わりの際の「ペーパーノイズ」が出にくくなる
収録の原稿は、TVなどの「30秒CM」系のタイプ以外は、複数枚にわたります。
文章の途中でページが変わっていることも、当たり前にあります。
(制作さんが気を使って下さって、行替えを工夫して作成して下さることもありますが・・・そういう現場は「むむ、出来るな!グッジョブ!」と密かに喜びます)
シーンの途中でページ変更を要求される = 録音の最中にページを変える動作が必要、になります。
ともすると「カサッ」とか「ササッ」という紙のこすれる音が出てしまいがち。
すなわち「余計な音が発生する可能性が非常に高まる」ということす。
これは、限りなく回避したい、状況なワケです。
さらに、やっかいなことに、エンジニアさん曰く「ペーパーノイズはとても消しにくい」んだとか!
「クリアな喋り声の他には、ノイズを発生させない」のは、使えるナレーターになるために、かなり重要な資質ではないか、とも思いますね。
(それを考慮して、着ていく服も考えるのですよ~! いわゆる「衣擦れ」が発生しないもの)
私の場合は、原稿を確認する際に「めくり」のキリのいいタイミングもチェックします。
「見台」があると、キリの悪い行替えのページがあったとしても、収録時に原稿に触らなくて良いようにセッティングが可能に!
1文が複数枚に分かれている原稿を並べて配置すれば、準備万端。
めくりを気にせずに、ナレーション表現に集中できるのです。
◎これも、結構重要!
4・スタジオスタッフさんとのコミュニケーションツールになる!
私物の持ち込み、ですので、もちろんスタジオの方には「こちら、使わせて頂きます」と一言断りを入れます。
エンジニアさんがマイク位置を合わせに、アナブースに入ってこられたときにお声がけします。
向こうから気が付いて「これ良いですね」などと言ってくださることも。
そうすると・・・
「良い物お持ちですね~」
「でしょ!これさえあれば疲れず読めて長尺もラクラクですよ」等々・・・
入り(はいり)を自然に盛り上げてくれる、のです。
以前にも「最初が肝心」とお話ししましたが、スタッフさんとのコミュニケーションはとてもとても大切。
お互い初対面の現場だとなおさら、「一緒に良い物作りましょう!」と雰囲気をなごやかに上げていくことは、その後のスムーズな進行に直結します。
そのキッカケ作りに、大いに役立ってくれるのです。
しかも、スタジオのエンジニアさんに憶えていただける、という効果もありました。
単発の仕事でお世話になり、その後そのスタジオ訪問の間がかなり空いたにもかかわらず、エンジニアさんが「あ、以前もこのツールお持ちでしたよね!」、と。
この業界、どんなに小さなことでも「憶えていただいてナンボ」の世界ですので、密かに「しめしめ」と思った物であります。
もちろん、実力でご納得いただき、存在を憶えていただくのが大前提・当たり前ですけど!
今回の「クローゼットスタジオ通信」はこの辺で。
次回もよろしくお願いいたします!
中村ゆきこでした。
https://sharakubin.com/info/nakamura8-2/